初めに
本日は、東洋経済eビジネス新書のドンキの正体をAmazon Audibleで聞いたので感想を書きます。
感想
ドン・キホーテは安田隆夫さんがギャンブルで得た800万円を元手に開業した泥棒市場が最初となっています。運営方法は、徹底した権限移譲と実力主義となっています。権限移譲とは、店舗のアルバイトや社員に売り場担当の発注、仕入れ、棚への陳列、POPなどの広告まで全て任せる事です。コンビニなどの一般の店舗では、発注などの作業は店長が行う事が多く、アルバイトには権限が無い事が多いのですがドン・キホーテは全て任せています。必然、アルバイトの負担が重くドン・キホーテの離職率は高止まりしています。一般の店舗より高い離職率について、インタビューで社長が離職率を低くする為に企業の個性を殺してはならないといっているので改善される事は無いでしょう。ドン・キホーテを始めた当初は社員はヤンキーあがりが多かったという事です。
次に実力主義ですが、担当の売り場の売上によって頻繁に昇格と降格を行っています。給料も評価によって変動するので誰も自分の担当場所の売上に必死で和気あいあいと仕事をする雰囲気では無かったとの事です。
陳列方法は、圧縮陳列という通路が見つからないほどの商品をお店に陳列する事でお店の宝探し感を演出していました。しかし2004年にドン・キホーテで放火事件があり従業員が亡くなった事で最低限、通路は確保できるように圧縮陳列を行うようになり、宝探し感は薄れました。
ドン・キホーテの店舗は、定番商品が6割、見切り品などのスポット商品が4割の構成比になっています。利益は、定番商品が2割に対してスポット商品は3割となっています。スポット商品は賞味期限が近かったり海外製の売れ残り商品を仕入れたりするので仕入れ値を叩くことができ激安で販売しても利益を3割とれるとの事です。
実際、ドン・キホーテにいくと聞いた事も無いメーカーの商品が激安で売られています。
ドン・キホーテの最初の頃は、店員も客も柄が悪くヤンキーの溜まり場となっていました。ドン・キホーテがくると地価が下がるとまで言われていました。独自の個性をつらい抜いた結果、現在は上場企業にまで上り詰めて海外展開まで行っています。
海外では、日本製品は、関税の関係で日本の売値の2~3倍の値段で売られています。ドン・キホーテは日本製品を日本の売値の1.5倍までで抑えて販売する事で店舗を繁盛させています。日本は長く物の値段が上がらないデフレーションに苦しんだ国なので海外と比べると物の値段が安いです。海外では、日本の物の値段の1.5倍でも十分に売れるという事ですね。
ドン・キホーテは、最近は電子決済システムのmajicaに力を入れています。majicaに10万円チャージしたら2万ポイントもらえるというキャンペーンも行っておりインパクトが強いキャンペーンをしています。最近は最初の頃のヤンキーのたまり場から家族連れが多く訪れる店舗に変わっており客層も良くなっています。最初の頃は、業界の異端児と言われていた経営手法も最近は業界スタンダードと言われるようになってきているようです。
独自の個性と経営で今後もドン・キホーテには期待が持てそうです。
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